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第5回はアイルランドコインと文芸復興運動についてです

ブライアン・ボルーのハープは今日アイルランドのコインに描かれていて、最初にコインに描かれたのはイングランド王ヘンリー8世の時代です。ヘンリー8世は、アイルランドの支配権を強めるためコインにハープを描いたのですが、アイルランドではコインにハープを描く習慣はそれ以前からありました(図11)。
1922年、アイルランド自由国成立にともなって新しい国家のためにコインのセットをつくる機会が訪れました。詩人で政治家であったウイリアム・バトラー・イェイツ(1865-1939)は1926年当時、アイルランド政府委員会の議長でした。
彼はアイルランドのコインのデザインについて意見を述べています。世界的な芸術家たちがコインのデザインに選んだのは、イギリス人のパーシーメトカーフの作品でした。それはコインにトリニティー・カレッジのハープをイメージしていました。アイルランドの人たちの手から手へ毎日稼働するこの小さな銀と銅のハープが、アイルランドの遺産(トリニティーカレッジのハープ)を想い起こさせています(図12)。

William Butler Yeats      Percy Metcalfe
  図11・1530年のコイン         図12・Percy Metcalfe氏デザインの10PENCEコイン

 
上段はユーロ以前のコインで、左から50ペンス、20ペンス、10ペンスです。
下段は現行のコインで、左から2ユーロ、1ユーロ、50セント、20セント、5セントです。
写真提供:岸本年矢氏(驚いたことにアイルランドでは、昔も今も全部コインにはハープのデザインが入っている)

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