BLOG

  1. HOME
  2. ブログ
  3. ブログ
  4. アイルランド文芸復興運動と日本文壇への影響

アイルランド文芸復興運動と日本文壇への影響

19世紀末、ウィリアム・バトラー・イェーツやグレゴリー夫人、ジョン・ミリントン・シングらがアイルランド文芸復興運動を起こし、特に演劇を中心に活動を展開しました。彼らは古代ケルトの精神に回帰し、アイルランドの神話、伝説、歴史、文化を題材にした作品を生み出しました。イェーツはノーベル賞を受賞した詩人であり、その息子の妻がハープ奏者のグローニャ・イェーツです。
同時期の日本では、明治維新(1868年)によって急速に近代化が進み、西洋文化の受容と日本の伝統文化の再評価が進行していました。日本文学においても、西洋の影響を受けた新しい文芸活動が活発化し、特に自然主義やロマン主義が広まりました。
この文脈の中で、イェーツ(1865~1939昭和14年)やシング(1871明治4年~1909明治42年)の作品が日本に紹介され、芥川龍之介(1892明治25年~1927昭和2年)や菊池寛(1888明治21年~1948昭和23年)などの日本文学者にも影響を与えました。また、片山廣子(松村みね子)(1878明治11年~1957昭和32年)はシングの全訳を含む多くの翻訳を手掛け、今日シングの全訳等が復刻されています。話は脇にそれますが、松村みね子と芥川龍之介とは親密な交際があったようですし、芥川の弟子である堀辰雄もみね子に憧れを抱いていて、彼の『聖家族』などの作品にも影響しています。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事