
古代イランの楽器と音楽
古代イランでも、弓形ハープやリラが使用されており、これらの楽器はメソポタミアの影響を受けながらも、独自に発展しました。

印章に描かれた弓形ハープ(前3200年頃、イランチョガ・ミシュ出土)
特にササン朝ペルシア時代(紀元226〜642年、日本では古墳〜奈良時代)には、宮廷で音楽が重要な役割を果たし、チャングやヴィーンといった竪琴(写真を参照)が使用されました。この竪琴(チャング)はシルクロードを通じて日本にも伝わり、後に正倉院に収蔵されることになります。
チャングとはハープを意味するペルシア語で、漢人はこれを「箜篌」と呼びました。日本では「箜篌(くご)」と呼び、別名「百済琴(くだらごと)」とも呼ばれました。これは正倉院に二張残されている箜篌と同類の楽器で、垂直式角型ハープの一種です。


チャング(竪箜篌)を弾く人物・13世紀・色絵陶器 帝王の船で奏楽するヴィーン奏者
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